~エキゾチックアニマルのレントゲン検査~
小さな動物たちもレントゲン検査ができます!
みなさんこんにちは!
突然ですが、レントゲン検査(X線撮影)を受けたことはありますか?
年に一回の健康診断などでお胸のレントゲン検査は多くの方が受けたことがあると思います。
ハリネズミやフクロモモンガ、ハムスターなど、小さな動物たち、エキゾチックアニマルたちもレントゲン検査を行えます。
今日はいろんなレントゲン写真をお見せします。

フクロモモンガのレントゲン写真(正常)
まず、レントゲン検査(X線撮影)とはなんでしょうか?
この検査は、X線(エックス線)という放射線を体にあてることで、体の中絵を画像化する検査で、X線撮影といいます。一般的にレントゲン検査と呼ばれます。
骨や水分、脂肪などの体の組織によってX線の通りやすさが異なります。この違いを利用して画像として映し出します。X線が通りやすいほど黒く、通り難いほど白く映ります。例えば、空気は黒く、骨は白く見えます。
上の写真だと、空気が多く含まれている肺は黒っぽく映り、中心にある心臓は血液(水分)を多く含むため白っぽく、背骨や肋骨などの骨はより白く写っているのがわかると思います。 この特徴を生かして病気があるかないかを調べます。
〜ごはんを食べないチンチラ〜
ある日、ごはんを食べたそうにするけど食べないというチンチラさんが来院しました。ぱっと見た感じは大きな異常がなさそうです。
そんなチンチラさんの頭をレントゲン撮影してみると…

臼歯(奥歯)の不正咬合
頭を上から撮影した画像

正常
頭を上から撮影した画像

臼歯(奥歯)の不正咬合
頭を横から撮影した画像

正常
頭を横から撮影した画像
臼歯(奥歯)がガタガタです。右側の正常なチンチラの画像と比較するとよくわかると思います。これでは歯が痛くてごはんは食べれません。臼歯、特に歯の根っこ側は口の中を覗いても見ることはできません。レントゲン撮影により見つけやすい病気の一つです。
〜お腹が大きくなってきたデグー〜
だんだんお腹が大きくなってきたというデグーさんが来院されました。元気も食欲もあって、お腹が大きいこと以外は問題なさそうです。
お腹の中を確認するためにレントゲン撮影を行うと…
妊娠している子でした!ある一定の時期を過ぎればレントゲン撮影をすることが可能で、妊娠診断、特に赤ちゃんの数や大きさを把握するのにとても有用です!モルモットやデグーは社会性が高いため、ペットショップでみんなと一緒に過ごしていることも多く、お家にお迎えする前に妊娠していることもまれにあります。

お腹の中に赤ちゃんがたくさん!
〜失神したウサギ〜
ある日、突然意識を失って失神したウサギさんが来院されました。
様子を伺うとなんだか苦しそうです。
なるべくストレスがかからないように注意しながらレントゲン撮影してみると。。。
心臓が大きくてまんまるです!
明らかに心臓が悪いのは明らかですが、レントゲン検査では大きい原因まではわからないことが多いです。
この子は超音波検査(エコー検査)も実施しました。
すると、、、

心臓が大きい??
〜苦しそうなハリネズミ〜
体が前後に動いているとのことでハリネズミさんが来院されました。
診察台の上でも、前後に体を揺らしています。
「もしかして?」と思い、レントゲン検査を実施してみると、、、
左の肺が真っ白です。
なんらかの原因で左の肺が障害を受けている可能性があります。
肺炎や肺水腫などではレントゲン上で肺が白っぽくうつります。
この子は苦しくて一生懸命呼吸していたため、体が前後に動いていたんです。

左の肺が真っ白、、、
〜その他いろいろ〜
このようにレントゲン検査では様々な病気や異常、変化などを確認することができます。

フクロモモンガの尾の脱臼

モルモットの尿道結石

ウサギの肝嚢胞

セキセイインコの肩脱臼

ハムスターの骨折

ハリネズミの子宮腺癌

フェレットの前立腺嚢胞

セキセイインコの多骨性過骨症
レントゲン検査だけでも得られる情報はたくさんあります。
小さな動物でもわんちゃんや猫ちゃんのように検査できることもあります。
もちろんストレスや負担になるため、すべての子で検査できるわけではありません。
獣医さんとしっかり相談して、気になることがあれば検査してみましょう。