デグーについて
~デグーって?~
デグーはし歯目、テンジクネズミ亜科、デグー科、デグー属に分類されます。そのため、チンチラやヌートリアと血筋的に近いことになります。
デグー属の学名はOctodonで、臼歯(奥歯)の咬合面の模様が数字の「8」に似ていることから、ラテン語で「8」を意味する「オクト」が由来となっています。
デグーは1960年代中頃に研究目的として南米から日本に持ち込まれ、現在でも脳の高次認知機能を研究するための新たな実験モデルとして利用されています。
~野生のデグー~
- チリ北部から中部、特にアンデス山脈の西側斜面に生息しています。この地域の気候は標高や地域により亜熱帯から温帯、乾燥帯など、様々な環境下で生活しています。
- 平原や雑木帯、岩の割れ目などに巣穴を作り、その中にいくつかの小部屋を作って生活しています。
- デグーは昼行性で、群れをなして生活しています。
~デグーの特徴~
- デグーは社会性が高く、通常家族単位で生活し、5~10頭ほどの群れで生活します。コミュニケーション能力が非常に優れており、聴覚や嗅覚、触覚を通じて、声や行動、臭いなどでコミュニケーションをとります。
- 被毛は一般的に背中全体が黄褐色から茶色で、お腹はクリーム色がかった色をしています。最近ではグレーから青みがかった色をしたブルーデグーもみられます。
- 手はとても器用で、ペレットや牧草を片手で持って食べることも出来ます。キック力はかなり強く、非常にジャンプ力があります。デグーは通常自分で爪を噛み切るので、定期的な爪切りが必要ではありません。
- デグーは別名トランペット・テールと呼ばれ、尾が特徴的です。約10.5~16.5 ㎝あり、短く硬い毛が生えており、先端部はやや長い毛がふわっと生えています。尾はバランスをとる以外にも、コミュニケーションツールとしても利用されます。
- すべての歯は生涯伸び続ける常生歯で、線維質の多い植物などをよく噛むことで歯の状態を維持しています。
~デグーの飼育~
- デグーの飼育環境はチンチラの飼育環境に似ています。最適な温度は23‐25℃で、湿度は50%と報告されています。つまり、涼しくてカラッとしている環境を好みます。
- 立体運動を好むので、高さのある飼育ケージを使用します。デグーは砂浴びをするので、週に1~2回程度の砂浴びが推奨されています。砂浴び用の砂はデグー用だけでなく、チンチラ用やプレーリードック用など様々ありますが、固まらないタイプを選ぶことが大切です。
- デグーは巣穴に隠れて生活する動物なため、シェルターは必ず設置します。できれば木製のものがおススメです。立体運動用に木製のコーナーステージやツリーステージを用意してあげましょう。回し車も設置してかまいません。(安全なものを選びましょう!)
~デグーのごはん~
- デグーは草食性で、野生では食餌全体の60%を草本植物が占め、その他に木の葉や樹皮、種子類を接種していることがわかっています。
- 基本的にはペレットと牧草を与えます。食餌のメインを牧草として、足りない栄養素をペレットで補うという形が理想的です。
- ビタミンCの摂取が必要な動物としてモルモットやサルが有名ですが、デグーもビタミンCが必要だという漠然とした通説があります。しかし、デグーのビタミンCの必要性は疑わしいと考えられているのが現状です。
- デグーは糖尿病になりやすい動物です。血糖値を下げるホルモンであるインスリンが特殊で、他の哺乳類と比較すると1~10%程度の活性しかありません。そのため、糖やでんぷんを多給されると、糖尿病を引き起こす可能性が高いです。