動物病院 多摩

~幹細胞療法~

幹細胞って知っていますか?

最近、ニュースや新聞で時々耳にする再生医療や幹細胞という言葉。。。。
ピンとこない方も多いと思います。

今日はその「幹細胞」を用いた「再生医療」について少しお話しします。

 
再生医療(細胞治療)とは、自分自身の細胞を培養し、病気や怪我の治療に役立てる治療法です。これまで、治療法が存在しなかった病気などに対する新しい治療法として注目されています。
 

 動物の体には、さまざまな器官や臓器などに変化する(分化する)細胞が存在します。この細胞は幹細胞(かんさいぼう)と呼びます。幹細胞は、骨や軟骨、筋肉、心筋細胞、血管などを形作る細胞に分化することが知られています。幹細胞療法は、この細胞を体外で培養し、体内に戻してあげることで、これらの分化する能力や幹細胞が分泌する成分(サイトカインなど)により、病気や怪我の治療を行います。

 
 幹細胞は、世界中で様々な病気や怪我に対しての治療法として研究が進められています。現在では椎間板ヘルニアや関節炎、乾性角結膜炎、慢性腸症、アトピー性皮膚炎などで実際に治療が行われています。
 
 例えば、脊髄損傷では、幹細胞が血管へと分化し、損傷部位の血流を回復することで、神経細胞の伸長を補助したり、脊髄全体の再形成を促すと考えられています。

 

幹細胞 治療 犬

 
 この動画の子は、椎間板ヘルニアによる脊髄損傷で下半身が麻痺となってしまった症例です。手術後しばらくしても左後ろ足の麻痺が残ってしましました。

 

 
 2つめの動画は幹細胞療法を3回実施した後の動画です。
ほぼ通常通り歩行可能なまでに回復しました。


 もちろん、全ての病気で全ての子に適応ではありませんが、他に治療法がなかったり、既存の治療法では効果が乏しかったりした場合、もう一つの治療法として期待できるかもしれません。