動物病院 厚木

~意外な犯人~

今日は「目」についてです。

みなさん、こんにちは!

更新が遅くなり申し訳ございません。

今日は「目」についてです。

眼科診療を行っていると、「目薬していても充血がおさまらない」と、なかなか治療に反応しない子に出会うこともあります。

 


 もちろん、病気の種類によっては治らないものや特殊な処置や治療しないと治らないものもあります。
 
その中で、「まさか!これが原因?」っていう場合もあります。

 

〜ある日の出来事〜

ある日、ワンちゃんが「目が赤くて膜が出ている」として来院されました。

お話を伺うと、目薬は1ヶ月以上使用していて、それでも治らない様子。
 
お顔を見ていると、確かに眼は赤く充血していて左眼の瞬膜が出ている状態で、しょぼしょぼして痛そう。

 

瞬膜 充血

左眼がしょぼしょぼ

 
お年寄りの子だったので、「なかなか治らないなら、これは腫瘍とかの可能性もあるな…」と思いながらしっかり眼科検査をしていくと…

 
 
 
「!!!」
 
 
 

 

 

「原因はこれでした」
 
 
 
なんと、瞬膜の裏側に植物の種が出てきました!
 
 
 
瞬膜と目の間に植物の種が挟まっており、それがずっと擦れて症状が出ていたのです。
 
 
「それは痛いし、目薬じゃ治らないわけだ」
 
ピンセットで取ってあげて、目薬を少し続けたら2日ほどで元通り♪綺麗な痛くない目に戻りました!

 

瞬膜 飛び出る

瞬膜の裏に種が!

 
人間には左右それぞれ上下2つのまぶたしかありませんが、ワンちゃんやネコちゃん、ウサギさんなど多くの動物には、目頭から出てくる、白く薄い膜状のまぶたがあり、それを「瞬膜」と呼びます。第三眼瞼とも呼ばれています。



 角膜を保護したり、目が乾燥しないように涙をいきわたらせたりする役割をしています。



 瞬膜は基本的に目を開けているときにはあまり見えません。しかし、常に目瞬膜が出ているという状態、特に左右で違う場合は、異常がある場合が多いです。

 

瞬膜

瞬膜

犬 瞬膜

瞬膜(右眼)

瞬膜が出る異常は主に3つあります。

目が痛いとき

目の痛みにより、反射で目が引っ込むと瞬膜が出てきます。


瞬膜自体が変形したり、腫れたり、大きくなったりしたとき
瞬膜の形や大きさが変わることにより収まらなくなり出てきます.


瞬膜が押されたり、圧迫されたとき
腫瘍や膿などで瞬膜が後ろや周りから押されたりして出てきます。
 
今回の子は①に当たりますね。瞬膜にも炎症があって腫れていたので②にも当てはまります。
 
また、瞬膜の裏側は深いスペースがあり、異物が入りやすく出てきにくいです。散歩などで草むらに顔を突っ込んだりすると入っちゃう場合があります。
 
 
 

チェリーアイ

チェリーアイ

瞬膜 腫瘍

瞬膜の腫瘍

 

寝ているときや寝起きなど、健康な子にも瞬膜が見える場合もあります。「あれ?瞬膜出ている?」と気づいたときは、病気の可能性もありますので、病院に相談してみてくださいね。