動物病院 厚木

~目が赤い!~

目が赤い時は結膜炎???

みなさんこんにちは。

 どうぶつ眼科センターでの眼科診療やご予約の際に、ご家族から「目が赤い」とよく聞きます。確かに「目が赤い」は多くの眼科疾患や全身の病気で認められる症状の一つで、とても重要な症状のひとつです。

今回は、この「目が赤い」に着目してお話してみます。

 
 目が赤く見える時に、「赤くなる」原因は非常にたくさんあります。まず、目が赤くなる原因が目の表面の問題か、目の中の問題かに分けてみましょう。
 

~目の表面が赤い場合~

 目の表面から確認で見る組織には、結膜強膜角膜瞬膜などがあります。目の表面が赤いときは、このいずれかの組織に変化が起きていることが多いです。

 
主に
・充血
・血管新生
      に分けられます。
 
 充血は炎症や刺激、感染などにより、主に結膜の血管への血流が増加することで起きます。結膜炎や角膜炎、角膜潰瘍などで認められます。また、ぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離などの目の中の病気でも充血は起こります。

また、緑内障では眼圧の上昇に伴い強膜の血管がうっ滞して起こる充血もあります。
 
 血管新生とは、本来血管が無く透明である角膜に、何らかの理由で血管が侵入してくることです。角膜炎や角膜潰瘍、乾性角結膜炎(ドライアイ)など、傷や刺激がある際に起こります。基本的には傷の修復や保護のために起こりますが、血管新生は慢性的な刺激があることを示唆するので原因の病気の治療する必要があります。

 

ウサギ 充血
結膜炎 猫

結膜の充血

猫:ウィルス性結膜炎

ぶどう膜炎 犬

結膜の充血

犬:ぶどう膜炎

ぶどう膜炎 ウサギ

結膜の毛様充血

ウサギ:白内障

角膜炎 猫

角膜の血管新生

猫:好酸球性角膜炎

角膜潰瘍 犬

角膜の血管新生

犬:角膜潰瘍

緑内障 犬

強膜の充血

犬:緑内障

チェリーアイ 犬

瞬膜の充血

犬:瞬膜腺脱出
(チェリーアイ)

猫 瞬膜 腫瘍

瞬膜の腫瘍

猫:瞬膜の肉腫

~目の中が赤い場合~

 目の中が赤い場合は、眼球内で出血が起こっている状態です。これを「眼内出血」と言います。虹彩や毛様体、脈絡膜、網膜など、目の中の血管が存在する組織の異常に起因することが多いです。
 
 ぶどう膜炎や白内障、緑内障、水晶体脱臼、網膜剥離、角膜穿孔などが考えられます。眼内出血は「失明」につながる病気の可能性が高いため、注意が必要です。また、高血圧や心臓病など全身の病気で起こることもあります。
 
 

 

角膜穿孔 犬
網膜剥離 犬

眼内出血

犬:網膜剥離

ぶどう膜炎 犬

眼内出血

犬:ぶどう膜炎
(白内障)

虹彩膿瘍 ウサギ

毛様体の充血

ウサギ:虹彩膿瘍

角膜穿孔 猫

眼内出血と虹彩脱出

猫:角膜穿孔

虹彩嚢胞 犬

眼内の血腫

犬:虹彩嚢胞

網膜剥離 猫

眼球後部の出血

猫:網膜剥離
(高血圧)

 このように、「目が赤い」と一言で表しても、多くの原因や病気の可能性があります。中には失明する病気や命にかかわる病気が隠れている可能性もあります。「いつもの結膜炎かな?」と思っても、近くの先生に診てもらうことをお勧めします。