温罨法 まぶたのマッサージ

わんちゃんの目元に「あずき」?1日5分の“ほかほかタイム”で瞳の潤いを取り戻そう!

ドライアイや目やに対策に。おうちでできる「温罨法(おんあんぽう)」のススメ

「最近、うちの子の目やにが増えたかも?」
「目が充血しやすくて、なんだかショボショボしている……」

 そんなわんちゃんからのサイン、実は「瞳の乾燥(ドライアイ)」が原因かもしれません。
 実はわんちゃんのドライアイの多くは、単なる水分不足だけでなく、「涙の質(油分)」が大きく関係しています。


犬 ドライアイ

ドライアイで角膜が黒くなってしまった子


 
 私たちの目(まぶたの縁)には、涙の蒸発を防ぐための「」を出すマイボーム腺という大切な出口があります。ここが詰まって油が出なくなると、いくら涙が出ていても水分はどんどん蒸発し、瞳はカラカラになってしまうのです。  
 さらに油が詰まった状態を放っておくと、「ものもらい」や「まぶたのできもの(霰粒腫など)」といったトラブルや、痛みを伴う炎症を招くことも。
 
 
 そこで、おうちで簡単にできるケアが、「温めて(温罨法)、出す(マッサージ)」という習慣です。
 
 今回は、まるでエステのような心地よさで瞳の潤いを取り戻す、「あずきのチカラ」を使ったスペシャルケアをご紹介します。

 
まぶた 模式図

まぶたの大まかな構造

マイボーム腺で作られた「油」が開口部から分泌されます。

マイボーム腺の開口部

マイボーム腺の開口部

アイラインに見えるぽつぽつが開口部


<関連する目元のトラブル>

ドライアイ:涙が蒸発し、角膜が傷つきやすくなる 霰粒腫       :まぶたが白っぽく膨らむ
麦粒腫       :感染や炎症で赤く腫れる、いわゆる「ものもらい」

 

乾性角結膜炎

さぁ、実際に温活で「アイケア」をトライしてみましょう!!

STEP1:まずは『温める』

カチカチの油をじゅわっと溶かす(温罨法:おんあんぽう)

固まったマイボーム腺の脂を、熱の力で溶かして出しやすくします。

温庵方

 

<なんでやるの?>  健康な脂はサラサラしていますが、ドライアイの子は脂がベタベタに固まり、出口を塞いでいます。温めることでこれを溶かし、血行も促進します。
 
<理想の温度と時間>
温度:40〜42度
(45度を超えると火傷の危険があるため厳禁!)
 
時間:5~10分間、じっくりと。

おすすめは「あずきのチカラ」
 あずきのチカラは蒸気(湿熱)と遠赤外線の効果で毛の奥まで熱が届きやすく、もっとも効率的です。
 
 温タオルは手軽ですが、2〜3分で冷めてしまうため、こまめに温め直す必要があります。




⚠️ 注意点
温度確認を徹底して!!!!
 当てる前に必ず飼い主さんのまぶたや腕の内側でチェックし、「心地よい温かさ」であることを確認しましょう。
 
使用期限を守る
 繰り返し使うと内部の水分が減り、温める力が弱まったり焦げたりします。製品指定の回数(例:250回)を守りましょう。
 
清潔を保つ
 タオルは都度交換。アイマスクはガーゼや専用カバーを使い、こまめに洗濯して細菌の繁殖を防ぎます。

 
温罨法 やり方

Column:なぜタオルより『あずき』?

知っておきたい3つの魔法

あずきのチカラ

 
1. 芯まで届く「遠赤外線」  あずきを温めると、天然の遠赤外線が放出されます。表面だけでなく皮下組織まで熱を伝えるため、毛に覆われたわんちゃんのまぶたもしっかり温まります。
 
2. 「湿熱」による高い伝達力
 あずきから出るたっぷりの「蒸気(湿熱)」は、使い捨てカイロなどの「乾熱」に比べて熱を伝える力が強く、乾燥を防ぎながら効率よく温められます。
 
3. 「形」と「重み」のフィット感
 粒状のあずきは、凹凸のあるわんちゃんの顔に隙間なくフィットします。また、適度な重みが心地よい圧力となり、その後のマッサージで脂が出やすくなる「圧搾効果」も期待できます。

 

STEP2:次は『出す』

詰まりを流して瞳にバリアを張る(眼瞼マッサージ)

脂が溶けている「温め直後」に行うのが最大のポイントです!

眼瞼マッサージ

 
<なんでやるの?>  古い脂を押し出し、新しいきれいな脂を目の表面に行き渡らせて、涙の蒸発を防ぎます。
 
<やり方>
 上下のまぶたを指の腹で軽くつまむようにして、優しく「パチ、パチ」と合わせます。出口(まつ毛付近)に脂を送り出すイメージで、1回につき30〜50回行います(10回×3セットでもOK)。
 
 
⚠️ 注意点
眼球を押さない!!
 眼球を圧迫しないよう、表面の皮膚だけを優しく動かしてください。
 
無理は禁物
 傷(角膜潰瘍)や強い炎症がある時は控え、獣医師に相談してください。
 
「良いこと」とセットに
 終わったらおやつをあげるなど、ケアを好きになってもらう工夫を。

 
まぶたのマッサージ やり方

〜ケア全体の流れ(まとめ)〜
1. 準備
手を洗い、道具(アイマスク、清潔なガーゼ、点眼薬)を揃える。
 
2. 温度確認
自分の肌で温度をチェック。
 
3. 温める(5分〜)
目を閉じさせ、リラックスした状態でキープ。
 
4. マッサージ
上から下、下から上へ。優しくパチパチ。
 
5. 仕上げ
浮き出た汚れを湿ったガーゼで拭き、指示された点眼薬をさす。

〜嫌がる子への処方箋〜  
無理をさせるとケアが嫌いになってしまいます。スモールステップで進めましょう。
 
• 「触るだけ」から
まずは目元に触れておやつ。これだけで2〜3日。
 
• 「少し」から
30秒だけ温める、10回だけパチパチする、からスタート。
 
・ ご褒美を習慣に
「終わったら美味しいもの!」を徹底して自分から寄ってくるように。

〜うちの子はどの段階?状態別・回数ガイド〜

※ 必ずかかりつけの獣医師さんに相談しながら調整してください。

アイケア 目安

 
1. 軽度(初期・予防ケア) 状態の目安: 少し目が赤い、寝起きの目やにが少し気になる。

回数の目安: 1日1回(夜のリラックスタイムなど)。

ケアの内容: 5分間の温罨法 + 優しいマッサージ。

ポイント   : 油の出口が詰まるのを未然に防ぎ、涙の質をキープします。


 
2. 中等度(進行期・積極ケア)
状態の目安: 白〜黄色のネバネバした目やにが出る、目が白く濁る、血管が浮き出て見える。

回数の目安: 1日2回(朝・晩)。

ケアの内容: 10分間のしっかり温罨法 + 目の縁のクリーニング + マッサージ。

ポイント   : 固まった古い脂と汚れを完全に取り除き、涙を乾きにくくします。


 
3. 重度(難治期・集中ケア)
状態の目安: ドロっとした膿のような目やに、黒い色素沈着、全体的な血管の広がり。

回数の目安: 1日3回以上(できるだけ頻繁に)。

ケアの内容: 徹底した加温 + 積極的なマッサージ + 生理食塩水などでのこまめな洗浄。

ポイント   : 目を「除染」するイメージで汚れを物理的に取り除きます。これにより、シクロスポリンなどの点眼薬が奥まで届く環境を作ります。



 

最後に:こんな時はすぐに病院へ!


• マッサージ後に目が真っ赤になった
• 目をショボショボさせたり、前足でこすったりする
• 目やにの色が黄色や緑色に変わった

目が痛い 犬

 


 このケアを続けることで、点眼薬の効果もグッと高まります。まずは1日1回、愛犬とのリラックスタイムに取り入れてみませんか?  
 「力加減がわからない」「やってみたけど上手くいかない」など、気になることがあればいつでもお気軽にご相談くださいね!