~フェレットの尿路閉塞~
フェレットでもおしっこができなくなる病気があります!
みなさんこんにちは!
久しぶりの投稿です。なかなか更新ができずに申し訳ありません。
今回はフェレットについて、特に尿路閉塞、おしっこがつまってしまう病気についてお話しします!
尿路閉塞は結石や粘稠性の高い尿、膿、外部からの圧迫、腫瘍、などでおきます。
わんちゃんやねこちゃんでは一般的に尿路結石で起こることが多いです。
<フェレットの尿路結石>

フェレットの場合、尿路結石による閉塞や排尿困難はオスに多く見られます。
以前はフェレットの尿路結石症はリン酸マグネシウムアンモニウム(ストラバイト)がメインでした。これは当時、フェレットの主食としてキャットフーダやドッグフードを与える飼い主が多かったからだと考えられています。
フェレットフードが広まり、飼い主の意識が変わってきたため、フェレットのごはんが良質化した現在はあまり結石症に遭遇しなくなりました。
今でもストルバイト結石を認めるフェレットは不適切な食事を与えられている子に多いです。
<副腎疾患と前立腺疾患>

パンパンになってしまったフェレットの前立腺
現在、尿路閉塞はオスで時々遭遇し、
それらは副腎疾患や前立腺疾患と関係していることが多いです。
特に、前立腺の細菌感染や嚢胞化は
結石成分を伴った膿状物で尿路閉塞を引き起こすことがあります。
副腎の異常によるホルモン刺激によって前立腺腫大が起き、そこに細菌感染が起こると複数の小胞内に膿瘍を形成します。
前立腺内の膿瘍が蓄膿してパンパンに拡大すると、尿道を圧迫したり、粘度の高い膿によって尿がドロドロとなり排尿困難となってしまいます。

前立腺が膿でパンパンに。
<尿路閉塞に対する処置>
尿路閉塞を起こしてしまった場合は、緊急的に解除する必要があります。
血液検査や画像診断を行い、全身の状態や閉塞している原因、場所、などを把握したのちに、尿道内にカテーテルを挿入して解除を行います。
しかし、尿路閉塞が解除できない場合や何度も繰り返す場合は手術(会陰部尿道瘻形成術)を検討する場合もあります。
また、原因に対する治療(副腎疾患や前立腺疾患、などに対して)を行います。場合により原因疾患に対する手術(副腎摘出、前立腺嚢胞切除術、など)を検討する場合もあります。

会陰部尿道瘻形成術:1

会陰部尿道瘻形成術:2

会陰部尿道瘻形成術:3

会陰部尿道瘻形成術:4

会陰部尿道瘻形成術:5
尿道の太い場所に新たに出口を形成し、おしっこをしやすくします。
フェレットは非常に病気が多いです。
複数の病気が併発することもよくあります。
少しでも異常を感じたら、相談してくださいね!