動物病院 多摩

~うさぎのごはん~

みなさん、うさぎの正しいごはんの与え方を知っていますか?

みなさんこんにちは!

またまた更新が遅れてしまいごめんなさい。

 

今はうさぎをペットとして飼われている方もたくさんいて、犬猫に次ぐ存在になりました。小さい頃、小学校の飼育委員でうさぎのお世話をしていた方もきっといるはず。ごはんの時間にニンジンやキャベツなどの野菜をこんもりあげていたような記憶も。

ウサギ=ニンジンのようなイメージを持つ方もたくさんいると思います。しかし、それでは病気になってしまう可能性が。。。

今日はうさぎのごはんについて少しお話しします。
 

まず、ウサギの好みについて。

野生のウサギはは草や木の葉、樹皮、種子、根を食べて暮らしています。限られたものを食べて、特に柔らかく水分の多い植物を好見ます。
ペットのウサギと比べて本来は粗食な動物です。


また、ウサギは食物の好みが激しい動物です。離乳期の食生活がその後の嗜好性に大きな影響を与え、特に離乳期に母親が食べていた食物を好む傾向あると言われています。

 

ウサギ ごはん


 
 ごはんの与え方ですが、野生のウサギは夕暮れと夜明けにごはんを食べます。ペットのウサギも夕方から明け方によく食べるため、ごはんは6時と16-18時を中心に2回与えることが理想とされ、食欲がない場合にはこの時間を狙って与えるとウサギが受け入れやすく体への負担が少ないですよ。
 

次にごはんの種類や量についてです。

 まず、牧草は自由摂食で、好きなだけ自由に食べさせてあげてください。
牧草はタンパク質、不消化繊維、可消化繊維、ビタミン、ミネラルの良い供給源になります。
また、可消化繊維は盲腸内細菌による発酵の材料になり、不消化繊維は腸管粘膜の機能を高め、通過をよくする働きがあります。そのため、繊維を豊富に摂取した場合の便は大きく、薄い色の便になります。

 牧草の種類はチモシーの給与がおすすめです。(しかし、嗜好性は低い・・・) チモシーでも茎が長く繊維の擦れや切れが少ないシングルプレスの製品がおすすめです。好みに応じて高圧で圧縮処理されたもの(ダブルプレス)を与えてもOK。
 タンパク質含量や脂質含量は出穂前の一番草(1番刈り)が優れています。アルファルファなどのマメ科は、タンパク質やカルシウム含量が高く、成長後のウサギには肥満や尿石症の恐れがあるため制限しましょう。(アルファルファは5-6ヶ月までの成長期用の牧草としてはOK

 

ウサギ 牧草


牧草 便

牧草をよく食べるウサギの便

うさぎ 便

中を割るとパラパラと牧草の粉が

ウサギ 盲腸便

盲腸便

 牧草を食べない子には、若刈りや再生草(2番刈り、3番刈り)を試してみましょう。再生草は茎が細く、柔らかいため歯の病気の子やお年寄りでも比較的食べやすいです。

 また、健康なこの場合、野菜やペレット、トリーツを減量してみましょう。
色々な牧草を試すのもOKです。比較的甘みのあるエンバク(オーツヘイ)やイタリアンライグラス、細かい牧草を好む場合はバミューダグラスを試すのも良いですよ。

 

牧草食べない 便

牧草を食べないウサギの便

 
次はペレットについて。

ペレットは粉砕した原料にビタミンや微量元素を配合したものです。一般的に種原料はアルファルファやチモシーなどの牧草で、そこに大豆、とうもろこし、小麦粉、などが加えられて、単一の食品から摂取が難しい栄養素の摂取が容易となるように作られています。
しかし、あくまでも牧草がメインでペレットはサポート役にしましょう。
また、シリアルやマメ科が混合したミックスペレットはお勧めしません。高炭水化物、高タンパク質、高脂肪のペレットやおやつはは腸内細菌叢の攪乱につながる可能性があります。

 

ペレットの量は体重の1.0~1.5%が基本です。例えば体重1kgのこの場合、1日約10~15gという計算になります。1日2回与える場合は1回5~7.5gということになります。

しっかり、重さを測って与えるのが好ましいです。
もちろん、ライフステージ、食事内容、環境温度、飲水の有無、病気の有無などが大きく影響するため、わからない場合は先生に相談しましょう!

 

ウサギ ペレット

体重2.1kgのホル君の1日のペレットの量

ウサギ ペレット 量

体重2.1kgのホル君の1日のペレットの量(1.5%計算で30g)

ペレット あげすぎ

1日2回に分けると1回がこれくらい

 
 ごはんは上記のように、牧草は自由に食べさせて、ペレットは一定量で与えましょう。


 そして、理想はごはんの総繊維量を20-25%とすることが推奨されています。特に、ペレットには粗繊維量18%以上、不消化繊維量12.5%以上含まれているものが推奨されています。一度、今食べているペレットの繊維の量を確認してみてくださいね。




当院のスタッフが飼育しているウサギさんのごはんは・・・
 
チモシー1番刈り(主食として食べ放題)
●オーツヘイ (1日おき、おやつとして一摘み)
●インタリアングラス(1日おき、おやつとして一摘み)
●ペレット (朝&夕方,1日2回,1回5g)
●ヘアボールリリーフ(換毛期,1日1回、小指の一関節)
 
という感じです。
 
参考にしてみてくださいね!