~胸水?肺水腫?~
胸水と肺水腫の違い、知っていますか?
胸水や肺水腫という言葉を聞いたことはありますか?
なんとなく、胸や肺に水が溜まっていることはわかるけど…という人も多いと思います。
みなさんこんにちは!
症状や状態、病名、検査名…
病院で先生から聞く言葉って難しいですよね。
僕たちもなるべく伝わるように、わかりやすく説明しているつもりでも、ついつい難しい言葉を並べてしまうこともしばしば…
なんとなく理解したつもりでも、家に帰ってご家族に聞かれると「あれ?なんだっけ?」ってなることもあると思います。
そこで、不定期ではありますが一般的によく使われる用語について簡単にお話させていただきます。
今回は「胸水」と「肺水腫」です。
「胸水」とは
胸には肺や心臓といった臓器が存在します。これらの臓器は胸郭(きょうかく)と呼ばれる構造の中にあります。この胸郭の内側と肺の表面は、それぞれ胸膜(きょうまく)という膜に覆われています。
この2つの胸膜の間には空間があり、この空間が胸腔(きょうくう)です。
肺や心臓がある胸の中の空間が胸腔
この胸腔にたまる液体が胸水です。胸水は健康な動物でも少量存在していて、肺が呼吸のために膨らんだり縮んだりする運動の摩擦を少なくしてスムーズにする役割があります。
しかし、様々な病気が原因となり、胸水が異常にたまると、肺や心臓を圧迫して、呼吸困難などの様々な症状を引き起こします。
しかし、様々な病気が原因となり、胸水が異常にたまると、肺や心臓を圧迫して、呼吸困難などの様々な症状を引き起こします。
「肺水腫」とは
まず、肺は呼吸をおこなう器官で、心臓を挟むように左右にあります。呼吸をすると、空気はまず「気管」を通ります。気管は肺の入り口で左右に分かれて「気管支」となり、さらに細かく枝分かれします。そして一番奥まで行くと、ぶどうの房のような袋状の組織になっており、ここが「肺胞(はいほう)」です。肺胞は毛細血管に覆われており、酸素を血液中に取り入れ、二酸化炭素を排出する「ガス交換」が行われています。
肺水腫とは、血液中の液体成分が滲み出し肺胞内に貯留する状態です。肺胞内に液体が溜まると、酸素と二酸化炭素の交換が上手くいかず、呼吸困難の状態になります。
簡単にまとめると、「胸水」は肺の外側に液体が溜まって肺を圧迫して苦しくなる状態で、「肺水腫」は肺の中に液体が溜まって苦しくなる状態です。似たような症状で、同じように見えますが、対処法や治療法が大きく異なることがあります。
しかし、共通して言えるのは両方とも緊急疾患です。原因は多岐にわたりますが、命にかかわる病気です。少しでも変だなと感じたときは、慌てず、まず病院に連絡しましょう。