~白内障~
突然ですが、「白内障」って、どんな病気かわかりますか。
みなさんこんにちは。
突然ですが、「白内障」って、どんな病気かわかりますか。
ほとんどの方が、名前だけは聞いたことあると思います。
「おじいちゃん、おばあちゃんがなる病気でしょ?」「人間の病気だよね?」と耳にすることもしばしば…
白内障は人間だけの病気ではなく、わんちゃん・ねこちゃんはもちろん、ウサギやデグー、フェレット、鳥まで発生する目の病気です。また、動物が変われば、白内障になる原因も異なります。
今回は様々な動物の白内障、特に原因について少しだけご紹介しますね。
それでは、他の動物の白内障の原因はどうでしょうか。
犬の白内障は、一般的には遺伝性が多く、若い子(5歳以下)で発症することが多いです。その他には、糖尿病などの全身疾患に関連するもの、他の眼の病気(網膜変性症など)によるもの、中毒によるものなどが挙げられます。
猫の場合、遺伝性の白内障は比較的まれで、糖尿病による白内障もまれです。猫の白内障の原因として多いものに、外傷性の白内障があります。爪や牙などで目に傷を負い、その傷が水晶体まで達すると白内障になる事があります。
ウサギの白内障の原因で特徴的なのは感染に起因するものです。特にEncephalitozoon cuniculiの感染によるものが多いです。E. cuniculiは寄生虫の一種で、水晶体に感染することによって二次性のぶどう膜炎を引き起こします。その結果、白内障を形成します。

猫の白内障

ウサギの白内障
モルモットは白内障が多く、1000頭のモルモットのうち40%に白内障が認められたという報告もあります。原因としては遺伝性や糖尿病性、アスコルビン酸(ビタミンC)不足などが挙げられます。
デグーは動物の特性上、糖尿病に罹患しやすく、糖尿病性の白内障を発症することがあります。糖尿病を発症してから4週間以内に白内障になると言われています。
フェレットの白内障は先天性、若年性、加齢性と様々です。白内障が急激に進行した場合は、糖尿病などの代謝性の病気や外傷性の白内障の可能性があるため注意しましょう。
フクロモモンガでは眼科疾患自体がまれですが、白内障の子は時々来院します。原因は、母親の肥満や栄養失調により生まれてきた子が白内障になる先天的なものと、糖尿病やビタミンA欠乏、感染などによる後天的なものが挙げられます。
セキセイインコや文鳥などの小鳥さんたちも白内障になります。高齢鳥にみられる場合は主に加齢性白内障と考えられます。特にフィンチよく見られます。他にも遺伝性や栄養欠乏と関連していると言われています。

モルモットの白内障

フクロモモンガの白内障

コザクラインコの白内障

スズメの白内障
今回は様々な動物の白内障、主に原因についてお話ししました。
同じ病気でも、動物が変われば原因も症状も、さらにお薬や治療法まで変わります。そのため、人間と同じ病気で、症状が軽い病気でも、動物の種類が変わると重症化しやすい病気もありますし、まったく治療法が異なる場合もあります。
「私と一緒だ」と思って、様子を見たり薬を使ったりせず、変化があった場合は先生に相談しましょう。